Photo:©Takehiko Sato
わたしたちは、国際的な合意である条約や国内の約束事である法律を守る義務とそれらにより守られる権利を有しています。一つの条約や法律だけで多様である生物多様性をすべて守ることはできません。分野や課題に取り組み解決するために、さまざまな国際・国内法が整備されてきました。
この「条約・法律」では、生物多様性保全に関連する主な条約や法律、国際会議や国際機関の採択した決定や宣言などを紹介します。
1992年5月22日採択 1993年12月発効
1993年5月 日本締結
1992年5月22日、ナイロビ(ケニア)で開催された合意テキスト採択会議において採択されました。1992年6月にリオデジャネイロにおいて開催された国連環境開発会議(地球サミット)において、「気候変動に関する国際連合枠組条約」とともに署名のため開放され、6月13日、我が国はこれに署名しました。
条約事務局はカナダのモントリオールにあります。
単に野生生物を守るためだけでなく、生物多様性保全のための資金的技術的な国際協力や、先住民の権利、経済的な利益の分配などを規定した多面的な条約です。
外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/jyoyaku/bio.html
環境省
http://www.biodic.go.jp/cbd.html
WWF
http://www.wwf.or.jp/activity/wildlife/biodiv/index.htm
EICネット
http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&ecoword=%C0%B8%CA%AA%C2%BF%CD%CD%C0%AD%BE%F2%CC%F3
2000年1月採択2003年9月11日発効
2003年11月 日本締結 2004年2月発効
生物多様性条約第19条3に基づく交渉において作成されました。バイオテクノロジーにより改変された生物(Living Modified Organism:LMOという)が生物の多様性の保全及び持続可能な利用に及ぼす可能性のある悪影響を防止するための措置を規定しています。特に国境を越える移動に焦点を合わせて、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に悪影響を及ぼす可能性のあるLMOの安全な移送、取扱い及び利用の分野において十分な水準の保護を確保することを目的とし、輸出国・輸入国の手続きを規定しています。
外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/jyoyaku/cartagena.html
1972年6月採択
国際社会の環境問題への関心が増大し、1972年の国連人間環境会議において採択された人間環境宣言で、環境問題に積極的に取り組む姿勢が「人間環境宣言」によって明らかにされました。人間が健全な環境で一定の生活水準を享受する基本的権利を持つとともに、環境に対して責任を負うとされています。「人間環境宣言」及び同時に採択された「環境国際行動計画」を実施に移すための機関として、国連環境計画(UNEP)が設立されました。
1992年6月8日
1992年、ブラジルのリオデジャネイロで開かれた「環境と開発に関する国連会議」において採択された27の原則。新しい公平な地球的規模のパートナーシップ構築を目標に、「平和、開発及び環境保全は、相互依存的であり、切り離すことはできない」と明言し、先住民族や女性の権利、市民の参加、適切な法や手続制定の必要性などを宣言しています。
環境省
国連環境開発会議の成果の実施状況の10年レビューに向けた地域メッセージ
http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=913&hou_id=1392
1992年
1992年、ブラジルのリオデジャネイロで開かれた環境と開発に関する国連会議(地球サミット)で、21世紀に向けた持続可能な開発のための人類の行動計画として採択されました。
日本政府は平成5年に「『アジェンダ21』行動計画」を決定し、CSD事務局に提出しました。この行動計画では以下の項目について重点的に実施していくこととしています。
環境省
http://www.env.go.jp/council/21kankyo-k/y210-02/ref_05_2.pdf
http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/honbun.php3?kid=207&serial=9846&bflg=1
2002年
人間環境宣言を再確認したうえで、開発と環境保護の不可分の関係を明示し、世界的なパートナーシップを強調しながらも開発途上国の状況に配慮し、各国は、"共通ではあるが差異のある責任"を持つとしています。予防的アプローチや女性、青年、先住民の役割の重要性も明示されています。
1978年
UNEP(国連環境計画)の「共有天然資源の利用に関する行動原則」(1978)では、各国は、資源を共有している他国又は他の国々の環境に重大な影響を与える危険をもたらすおそれがある共有天然資源に関するいかなる活動に従事する場合も、事前に環境影響評価を行うべきであることが規定されている。
環境影響評価支援ネットワーク
http://www.env.go.jp/policy/assess/5-3synthesis/inst/istr2x4.html
1973年3月採択 1975年7月1日発効、日本は1980年11月4日から発効
1972年の「国連人間環境会議」における勧告を受け、1973年にワシントンにおいて採択されました。そのためワシントン条約と呼ばれています。自然のかけがえのない一部をなす野生動植物の特定の種が過度に国際取引に利用されることのないようこれらの種を保護することを目的としています。先進国及び発展途上国の多くが加盟しており、2009年4月現在で175か国・地域が締約国になっています。国際空港で、持ち出しが禁止されているものの例として、ワニ革ハンドバックや象牙製品などの展示を見かけたことのある人も多いでしょう。絶滅のおそれがあり保護が必要と考えられる野生動植物を附属書Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの3つの分類に区分し、掲載された種についてそれぞれの必要性に応じて国際取引の規制を行うこととしています。
経済産業省
http://www.meti.go.jp/policy/external_economy/trade_control/boekikanri/cites/index.html
第1次 1995年、第2次 2002年、第3次 2007年
生物多様性条約に基づき、生物多様性の保全と持続可能な利用に関わる国の政策の目標と取組の方向を定めたものです。日本では、1995年に第1次国家戦略が策定され、2002年に第2次の「新・生物多様性国家戦略」が発表されました。 さらに、第3次国家戦略が2007年11月に発表されました。第3次の国家戦略は、第1部「戦略」と第2部「行動計画」の2部構成になっています。
環境省 生物多様性国家戦略
http://www.biodic.go.jp/nbsap.html
第三次生物多様性国家戦略
http://www.env.go.jp/nature/biodic/nbsap3/
2008年
名古屋でのCOP10開催が決定したCOP9閣僚級会合で、環境大臣から生物多様性基本法の成立が発表されました。人類の生存や文化の多様性を支えている生物多様性が、国内外で現在危機的な状況にあり、保全と持続的な利用のための施策が必要であることを規定しています。毎年、白書を作成し、生物多様性保全に関する法律の施行状況が検討されます。
この法律の注目すべき点は、市民提案が立法に結びついたことです。いわゆる「市民立法」として、NGOが大きな役割を果たしたのです。NGOの働きかけが実を結び、最終的に与野党の賛同する議員立法となって、2008年5月28日に可決成立しました(施行 は6月6日)。
第21条に「多様な主体と連携し及び協働する」ことや、「政策形成に民意を反映」することが盛り込まれているのは、この法律の制定過程に、市民が関わっていたことの表れと言えます。
環境省
http://www.env.go.jp/nature/biodic/nbsap3/
WWFジャパン
http://www.wwf.or.jp/activities/2008/05/646722.html
環境goo
http://eco.goo.ne.jp/word/nature/S00299.html
S32年(H18改正)
「優れた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図り、もつて国民の保健、休養及び教化に資することを目的とする」ことが、日本の自然公園の特色だと言われています。国立公園、国定公園、都道府県立自然公園に関する区分と指定などの手続きについて規定されています。2009年3月に、「生物の多様性の確保に寄与する」目的や、海、生態系に関する改正が追加され、保全対策の強化等を内容とする一部改正案が閣議決定されました。
生物多様性センター
http://www.biodic.go.jp/biolaw/law_f.html
H4年(H17改正)
絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存によって良好な自然環境を保全し、人の生活を守ることを目的としています。