絶滅危惧種

絶滅危惧種

Photo:©Takehiko Sato

絶滅に瀕している生物種は、「絶滅危惧種」と呼ばれています。絶滅危惧種の定義は、国際的には、国際自然保護連合(IUCN)が定めるレッドリスト、国においては、環境省が定めるレッドリストに定められ、評価された生物種がリストアップされています。

地球上から生物種が消えるということは、それまでつながれてきた命のバトンが途絶えることになります。遺伝子が消え、その種に直接的・間接的に関連している生き物たちにも影響を与えます。まだ人間に知られていない生物種もたくさんあります。もしかしたら絶滅していく種が、将来人類を滅ぼすような疾病の特効薬だったということもあるかもしれません。

絶滅危惧種とレッドリスト

絶滅危惧種とレッドリスト

Photo:©Pavel German

野生生物の保全のためには、絶滅のおそれのある種(絶滅危惧種)を的確に把握し、一般への理解を広める必要があることから、国際自然保護連合(IUCN)は、そのような動植物種をリストアップし、「レッドリスト」を作成しています。

生物を取り巻く状況は刻々と変わるため、定期的な見直しが必要です。IUCNでは、専門の委員会がそれぞれ設置されています。

IUCNが2008年に発表したレッドリストによると、現在までに、種として記載されている世界の野生生物の数は、164万2,189種。IUCNでは、その4万4,838種について、絶滅の危機をランク付けしました。その結果、絶滅のおそれが高いとされる種数は、合計で1万6,928種にのぼり、前回の2007年度版よりも、622種増加しました。これは、評価対象となった4万種あまりのうちの約4割を占めています。

東南アジアの沿岸部や大河にすむイラワジイルカは、ダム開発や森林伐採、漁獲や混獲などの深刻な被害により危機が高まっています。また、熱帯アジアの沼沢地や森にすむスナドリネコや、カスピ海に生息するカスピカイアザラシなどは、生息環境の悪化などにより、乱獲によって減少したキューバワニもそれぞれ危機度が上がりました。一方、クロアシイタチやアフリカゾウは危機度が下がり、保全活動が効果を表していると考えられています。

絶滅危惧種の鳥

Photo:©CI/Sterling Zumdrunn

2009年5月14日には、世界の鳥類約1万種のうち約12%に当たる1227種が絶滅の危機に瀕しているという2009年版の絶滅危惧鳥類リスト(レッドリスト)がバードライフインターナショナルから発表されました。

地球上の生命は、その誕生以降、何度も大絶滅期を経て進化してきましたが、現在の絶滅は、かつてない規模とスピードで進行しています。それを引き起こしているのは、わたしたち人間の活動なのです。

たとえば、2006年には、ホッキョクグマがレッドリストに掲載されましたが、気候変動の影響により北極圏の氷が減少していることなどの生息環境の影響が指摘されています。人間活動によって引き起こされる気候変動は、大変深刻な状況にあり、生物多様性にも大きな影響を及ぼします。

参考サイト

レッドリスト
http://www.iucnredlist.org/

IUCN日本委員会
http://www.iucn.jp/protection/species/redlist.html

WWFジャパン
http://www.wwf.or.jp/activity/wildlife/news/2008/20081006.htm

日本の絶滅危惧種

ヤンバルクイナ(絶滅危惧IA類)

Photo:©Yuji Obara

日本の絶滅危惧種に関しては、環境省がレッドリスト(日本の絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト)を作成・公表するとともに、これを基にしたレッドデータブック(日本の絶滅のおそれのある野生生物の種についてそれらの生息状況等を取りまとめたもの)を刊行しています。

動物では、[1]哺乳類 [2]鳥類 [3]爬虫類 [4]両生類 [5]汽水・淡水魚類 [6]昆虫類 [7]貝類 [8]その他無脊椎動物(クモ形類、甲殻類等)の分類群ごとに、植物では、[9]植物I(維管束植物)及び [10]植物II(維管束植物以外:蘚苔類、藻類、地衣類、菌類)の分類群ごとに作成されています。

2007年に発表されたレッドリスト(環境省版)では、絶滅の恐れがある種の数は、動物・植物等合計で、3155種が掲載されました。

哺乳類は、42種が絶滅の恐れがあり、オリイコキクガシラコウモリ、イリオモテコキクガシラコウモリ等、コウモリの危機が懸念されています。また、イリオモテヤマネコも危機の度合いが上がっています。一方、ヤクシマザルやホンドザルは、数が増加傾向にあることから、ランクから外されました。

イトウ(絶滅危惧IB類)

Photo:©Yo Chirai

汽水・淡水魚類は、多くの種で生息状況の悪化が見られ、絶滅のおそれのある種の総数は1999年に公表されたレッドリストでの76種から、144種へと増加しました。特にタナゴなど田園地帯を生息地とする多くの種が深刻な状況にあります。琵琶湖のニゴロブナ、ゲンゴロウブナは、危機度が上がりました。外来種の影響も考えられるとされています。

植物は、1690種で、前回から大きな変化がなく、保全の努力の成果もあると考えられています。ただ、シカの食害により、屋久島の他西日本を中心とした地域で、ヤクシマタニイヌワラビ、キレンゲショウマをはじめとする多くの種が影響を受けていることが明らかになりました。

参考サイト

環境省プレスリリース(2007年8月3日)
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=864

生物多様性情報システム
http://www.biodic.go.jp/rdb/rdb_f.html

日本のレッドリスト(環境省)

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