2009.06.05
Photo:©CI/David Emmett
Key Biodiversity Area(KBA、生物多様性重要地域)は、生物多様性保全のうえで国際的に重要な地域です。KBAは、国際的共通の基準と地域レベルでの保全の必要性に基いた範囲で特定されます。KBAの基準は、保全計画で用いられる「脆弱性」と「非置換性(ほかの地域に置き換えることができないこと)というフレームワークに基づいています。
KBAは、国際NGO のバードライフ・インターナショナルが1980年代初期から世界的な規模で取り組んできたIBA(Important Bird Areas 重要野鳥生息地)を基礎にし、ここに、重要植物地域、主要蝶類生息地、重要ほ乳類生息地、重要淡水生態系などのデータが重ねられて特定されます。また、どの地域で保全の重要性と実際の保全にギャップがあるのかをあぶりだし、保全計画を強化することに役立ちます。
生物多様性条約第8条では締約国に対し、「保護地域システム又は生物の多様性を保全するために特別の措置をとる必要がある地域に関するシステム」を確立することを命じています。地域の保全に関するこれらの義務は、ミレニアム開発目標で定められた目標と2002年の持続的開発に関する世界サミット(WSSD)の決定によりさらに強化されました。
2003年の世界国立公園会議でも、保護地域の国際システムによって、生物多様性の保全にとって重要なすべての指定地を保護する必要性が強調されました。すでに数々の国で保護地域システムに多額の資金が投じられてきましたが、このような努力にもかかわらず、生物多様性の保護策として効果を発揮していないものも多く、対象地域の指定に深刻な欠落部分があることがわかってきました。
世界的に重要な生物多様性を確実に保全するには、組織的な生態系ネットワークが必要だと指摘されています。このネットワークは、生物多様性において最も価値のある重要な地域を地理的に管理可能な連結した形で構成するものです。
これらの重要地域の保護には、国立公園、地域社会と先住民の保護地域、私有保護区など、多様なガバナンス手法が必要とされ、最善の取り組みは場所ごとに異なります。ただし、そこで保護する重要な生物多様性が保たれるよう管理する必要があります。
KBAの目標は、世界の生物多様性の保全にとって不可欠な指定地のネットワークを特定し、記録し、保護することです。ここで「指定地」とは、範囲を定めることができ、保全のために管理できる潜在性を持つあらゆる大きさの土地を意味しています。どの地域が保全に値するかを決定するための効果的な方法として、保全を必要とする種の個体群(存続能力があると思われるもの)の分布に関する基準に基づき、指定地を選択します。
そのような種は、絶滅のおそれがある種、地理的に集中している種、という2つの主な非排他的(つまり1つの種が両方に属することもある)な分類に大別でき、これらは保全指定地ネットワークを計画するための2つの基本指数である脆弱性と非置換性(かけがえのなさ)に対応しています。
CBD保護地域ワーキングミーティングの保護地域に関する資料
http://www.cbd.int/doc/meetings/pa/wgpa-02/information/wgpa-02-inf-05-en.doc
IUCN Best Practice Protected Area Guidelines Series ; no.015 "Identification and gap analysis of key biodiversity areas: targets for comprehensive protected area systems"(ガイドブックをダウンロードできます)
http://www.iucn.org/about/union/commissions/wcpa/wcpa_puball/wcpa_bpg/?376/Identification-and-gap-analysis-of-key-biodiversity-areas-targets-for-comprehensive-protected-area-systems