保護地域
2009.05.25
生物多様性にとって、最も大きな脅威のひとつが、野生生物の生息地の破壊です。
野生生物を、もともとその生き物が暮らしてきたその生息地ごと保全することは、有効な保護の手段です。この手法は、生息域内保全と呼ばれています。エコシステムや自然生息状況を保全することで、生物種を守り、個体数を回復することを助けるのです。
「保護地域」とは、生物多様性保全のために、指定され又は規制され及び管理されている地理的に特定された地域のことです。
生物多様性条約は、第8条で生息域内保全を規定しています。条約に参加している国は、保護地域の制度を確立させ、選定、設定及び管理のための指針を作成する必要があります。保護地域システムが良好に設計され管理されているかどうかは、国家の生物多様性保全の努力を表しているとも言われます。
世界自然保護連合(IUCN)が定める保護地域のカテゴリーでは、管理の介在の度合いを反映して、6つのカテゴリーに分類しています。
| カテゴリー1 | 厳正保護地域 原生自然地域 | 学術研究若しくは原生自然の保護を主目的として管理される保護地域 |
|---|---|---|
| カテゴリー2 | 国立公園 | 生態系の保護とレクリエーションを主目的として管理される地域 |
| カテゴリー3 | 天然記念物 | 特別な自然現象の保護を主目的として管理される地域 |
| カテゴリー4 | 種と生息地管理地域 | 管理を加えることによる保全を主目的として管理される地域 |
| カテゴリー5 | 景観保護地域 | 景観の保護とレクリエーションを主目的として管理される地域 |
| カテゴリー6 | 資源保護地域 | 自然の生態系の持続可能利用を主目的として管理される地域 |
出典:IUCN日本委員会
http://www.iucn.jp/protection/reserve/reserve.html
保護区の面積は、増えている
2004年には、世界中の保護地域の面積は、1970年の300万平方キロメートルから、2千万キロ平方キロメートルに増え、104,791ヶ所とまりました。陸地の12パーセントをカバーしていることになります。
しかしながら、保護地域の面積や数が増えているのにも関わらず、生物多様性の喪失は続いています。面積が増えても、きちんとマネジメントをしていくことは難しいのです。
また、保護地域として指定されることで、もともとその地域に住んでいた先住民族の権利や暮らしが侵害されることも問題になっています。かれらが居住している地域を移動しなければならなくなる恐れや、いままで利用してきた動植物が利用できなくなることで、あらたに資源を探す必要が出てきます。
日本では、国土全体の土地利用を規定する「国土利用計画法」で、土地利用基本計画を策定することとされており、この計画に即して「都市計画法」「農業振興地域の整備に関する法律」「農地法」「森林法」「自然公園法」「自然環境保全法」といった各個別法による土地利用の規制等の措置が講じられています。また、「河川法」「砂防法」、「海岸法」「地すべり等防止法」「文化財保護法」「国有林の保護林制度」「都市緑地保全法」「首都圏近郊緑地保全法」「近畿圏の保全区域の整備に関する法律」なども自然環境の保全に関連しています。
CBD Protected Areas
http://www.cbd.int/protected/intro.shtml
IUCN日本委員会
http://www.iucn.jp/protection/reserve/reserve.html
生物多様性センター(生物多様性条約本文)
http://www.biodic.go.jp/biolaw/jo_hon.html
「生態学から見た野生生物の保護と法律」
財団法人 日本自然保護協会編集(講談社サイエンティフィク)