国際
2010.01.26

昨年11月には国際生物多様性年のウェブサイトも開設された
2010年1月11日、ベルリンで国際生物多様性年を開始する式典が開催され、アンゲラ・メルケル独連邦首相は地球上の生物多様性を守るために必要な措置をとるよう、世界に向けて強く主張した。
「生物多様性の保全は、気候変動防止と同様の重要性を持っている。将来いつかではなく、ただちに流れを逆転する必要がある。」
ドイツのベルリン自然科学博物館で開催された式典で、生物多様性締約国会議の現議長を代表し、メルケル独連邦首相は、外交団、政府、市民社会、国際組織、科学者、ビジネス、メディアから400人を超える参加者に向けて話した。
国連総会は、2002年に地球上の種及び生態系システムの多様性損失速度を顕著に減少させることを目標に、政府が採択した達成期限である2010年と同年を国際生物多様性年とすることを宣言した。
科学者によると、人間活動による生物多様性の損失速度は自然状態の約1000倍も速い。国際生物多様性年に、我々は地球上の生命の多様性及び生物多様性の人間の生活の豊かさへ貢献を称賛しながら、損失を食い止めるために措置を行う。ベルリンの式典において、政治指導者は生物多様性保護の問題は、気候変動や経済発展といった他の問題のレベルで評価されるべきだと主張した。
「世界的に政治意思決定者は、人類の幸福、世界経済発展そして貧困撲滅にとって生物多様性保護は非常に重要であるという認識をますます高めている。この確かな考えが確実に行動に移される時がきた。」とノルベルト・レットゲン連邦環境相は述べた。
イエメンの環境相で132ヶ国を代表するG77+中国の現議長アブドル・ラフマンファドロAlIryani議長によりこの意見は繰り返され、「私たちにとってイエメンおよびアラビア半島の豊かな生物多様性を保護することは、最優先事項であり、すべての人類にとってもまた同様であるべきである。」と述べた。
生物多様性条約(CBD)事務局(国際生物多様性年に対し責任をもつ組織)のアフメド・ジョグラフ事務局長は、「気候変動は実に問題であり、生物多様性はその解決の一部をなしている。つまり生物多様性は多国間ポリティカル・エコロジー(政治生態学)の完全な構成要素である。国際生物多様性年とはこのことであり、そのために今日私たちはベルリンにいるのです。」と、地球規模な問題として生物多様性の重要性を再強調した。潘基文国連事務総長は参加者に向けたビデオメッセージで、「もはやこれまでのビジネスは選択の余地はない」と伝え、新たな目標と新しいビジョンの必要性を訴えた。
任務の緊急性は国連環境計画事務局アヒム・シュタイナー事務局長によって繰り返された。「事態の緊急性はグローバルコミュニティとして生物多様性の損失速度を弱めるだけでなく、協力し損失を食い止め、過去数世紀にわたり損害を受け劣化された生態的基盤の回復を始めることを必要としている。」
国際生物多様性年では、科学者による生物多様性損失に係る概況及び傾向の報告がなされる。第三次生物多様性条約評価報告書、地球規模生物多様性概況第3版が5月に公表され、概況及び傾向に係る最新データ、またポスト2010年生物多様性目標とともに政府が進める最善措置の政治的推薦や助言を行う。
これらの推薦や助言は、生物多様性損失を抑制する新たな戦略計画にむけての地球規模の議論に役立たされ、また10月に日本で開催される名古屋生物多様性サミットにおいてグローバルコミュニティによって、一連の新たな目標に貢献することとなる。
「国際生物多様性年は、生物多様性損失を抑え、回復させなければならないという共通の考えを共有でき非常に重大な年となる。具体的行動に導きたい。」と、日本の環境副大臣であり、2010年10月18-29日に名古屋で開かれる生物多様性条約の第10回締約国会議(COP10)の議長を務める田島一成環境副大臣は表明。「このような注目される年に、日本で生物多様性条約締約国会議を主催でき、会議の成功を決意する。」と、表明した。
国際生物多様性年の開始は、「生物多様性、それはいのち 生物多様性、それは私たちの暮らし」のスローガンのもと、開発と貧困軽減について生物多様性をテーマとした5月22日の国際生物多様性の日、9月の生物多様性に関する国連総会の高級特別会合、その他のイベントを含む様々なグローバルイベントの皮切りとなった。
ヨッヘン・フラスバルト独連邦環境省長官は、「地球上の問題は相互に深く結びついていることが明瞭である。たとえば、気候変動を止めなければ、生物多様性の損失は食い止められず、同時に生態系の保護は、自然が本来備えた炭素蓄積能力を超えずに行わなければ、気候変動の目標達成は極めて困難となる。そして、これらの両立なしでは飢餓に打ち勝つことはできない。」
1月一週目には、ブラジル、タイ、インド、その他の国で国際生物多様性年開始式典などのイベントが開かれた。国際連合教育科学文化機関(UNESCO)は、1月21-22日に各国・政府代表が参加する高級会合をパリで開催し、その後科学会議を予定している。また、Facebookは多様性年を記念し新たにページを開設。何千ものファンが集まり、それぞれの希望・期待を表現している。