CBD/COP10

ポスト2010年目標の日本提案が提出される

2010.01.08

「人類が享受する生態系サービスの恩恵を持続的に拡大させていく」

「人類が享受する生態系サービスの恩恵を持続的に拡大させていく」 © CI/photo by Yasu Hibi

日本政府は6日、ポスト2010年目標の日本提案を、生物多様性条約事務局に対して提出しました。2009年5月から有識者やNGOなどへのヒアリングが始まり、その後、パブリックコメント・ワークショップなどの一連の手続きを経て、2009年12月下旬に日本の最終案がとりまとめられたものです。

10月に名古屋市で開かれる生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)では、「2010年目標」に代わる新たな目標設定が大きな議題になります。日本は議長国として、次期目標の設定をリードする意向です。

「2010年目標」はあいまいで、達成状況の評価がしづらく、前向きな印象を持ちにくいと言われがちでした。これに対して、今回、日本政府が提出した「ポスト2010年目標」は、前向きで、達成手法を具体的に示したものとなっています。

2050年時点での中長期目標と、2020年時点での短期目標が立てられています。また、9つの個別目標と、それを達成するための34の手法も盛り込まれました。

中長期の目標(2050年)

 「生物多様性の状態を現状以上に豊かなものとするとともに、人類が享受する生態系サービスの恩恵を持続的に拡大させていく」としており、意欲的な目標になっています。

短期の目標(2020年)

生物多様性の損失を食い止めることが主眼になっています。これを、1.生物多様性の状態を科学的に把握する、2.保全活動を拡大し、持続可能な利用を普及させる、3.生物多様性の主流化を図ること、によって達成しようとするものです。

9つの個別目標

 生物多様性の分野には、さまざまな課題があります。それが9つの課題に整理されています。たとえば、「生物多様性に対する脅威は依然として存在し、侵略的外来種や有害な化学物質等に加えて、気候変動も生物多様性の脅威」というように。

この課題に対しては、「侵略的外来種への対策」「気候変動の緩和・適応」「有害化学物質等の影響の最小化」「絶滅のおそれのある種への脅威軽減」という4つの達成手法が示されています。  そして、「絶滅危惧種の個体数」「保護区の面積」などが、達成状況を測る指標として例示されています。ただし、数値目標は、国ごと、地域ごと、組織ごとに事情が異なることから、各々の実態に応じた目標値を設定する方向で、COPでの決定を目指すとあります。

今回、提出されたのは日本からの提案ですが、他国や関係機関からの提案を踏まえて、2月中旬までに「戦略計画」の生物多様性条約事務局案が取りまとめられ、各国に提示されることになっています。

このあと、5月のナイロビで開催される準備会合(SBSTTA 科学技術助言補助機関会合)などでの検討を経て、10月のCOP10で正式に決まる予定です。

関連ニュース:環境省報道発表資料(2010年1月7日付)