サイエンス
2009.11.19

西表島のマングローブ ©Conservation International/Photo by Yasu Hibi
海岸の塩分を含んだ草原やマングローブ、、海草などは、大気中の炭素を取り除き、土壌に閉じ込める驚異的な可能性を持っていることが、コンサベーション・インターナショナル(CI)の科学者の研究により分かった。沿岸生態系は、1年間に同じ規模の熱帯林の50倍ものカーボンを堆積物内に固定できるという。CIは沿岸の壊れやすい生態系を守るための迅速な行動を呼びかけている。
森林は、炭素のほとんどが生きている植物内および落葉落枝に留められているのに対し、沿岸のマングローブや海草、塩生草原は、それらの堆積物のなかに炭素を数百年、あるいは数千年の間、留めておける点で非常に効果的である。多くの炭素は、植物内よりも土中に閉じ込められるため、植物が死んだときにも、比較的少量の炭素だけが放出されるだけだという。
マングローブは、沿岸のコミュニティを異常気象から守り、住民の安定した食料源となる多様な魚類が育つ場所となっている。海草は、沿岸の土壌流出を防ぎ、住民の生計を助けるような商業的に重要な魚類の住処となっている。また、塩生草原は、破壊的な漁業による堆積物を防ぐバッファー(緩衝地帯)となり、淡水の帯水層への塩水の浸入を防ぐ役割を果たしているとみられる。
沿岸の生態系の莫大な炭素固定力はいままで見過ごされてきたが、気候変動における国際的な努力における重要な可能性を持っているといえよう。