CBD/COP10
2009.10.23

共同議長発表を行うIUCN-J会長吉田正人氏とIUCN上席科学顧問マクニーリ氏
9月6日に開催されたプレシンポジウムに引き続き、生物多様性条約第10回締約国会議 (CBD-COP10) に向けたシンポジウムが開催されました。今回のテーマは「生物多様性ポスト2010年目標とアジアビジョン」。2010年目標に関するこれまでの議論を総括したうえで、さまざまなセクターがポスト2010年に向けてどう動いていくべきか、ポスト2010年目標はどうあるべきかといったことが議論されました。
基調講演として、CBD事務局長であるAhmed Djoghlaf氏から示された「2010年目標の達成は困難であるが、それは保全の取り組みを推進するに効果的なツールであった」という評価を踏まえたうえで、Jeffrey McNeely氏 (IUCN上席科学顧問) からポスト2010年目標の含むべき要素が提示され、さらにCOP10に向けて日本がどう取り組んでいくべきかについて渡辺環境省審議官から、そこにおけるSATOYAMAイニシアチブの重要性が武内国連大副学長から論じられました。

シンポジウムには250名以上が参加。COP10への関心の高まりを示した
セッション1では、「さまざまなセクターから見たポスト2010年目標のあり方~生物多様性の主流化 ~」をテーマに、企業・開発支援・自治体・国際NGO・政治家の立場から講演がなされました。国際環境NGOであるConservation InternationalのCarlos Manuel Rodriguez氏は、生態系サービスの価値を市場システムに組み込むことの重要性を主張され、経団連自然保護協議会の西堤氏は、生物多様性に貢献する企業が市場で評価されるような条件整備の必要性を説かれました。また、JICA地球環境部の三次氏から、途上国における生物多様性保全と人々の暮らしの関わりについて具体的な説明があり、COP10支援実行委員会の加藤氏からは、都市における生物多様性の取り組みについてCOP10の開催地である名古屋を例にとってお話がありました。
セッション2では、「ポスト2010年目標の実施とモニタリングのあり方」をテーマに3つの講演がありました。東北大の中静教授は、ポスト2010年目標の評価を精密に行うための科学的モニタリングの重要性を主張し、BirdLife InternationalのCristi Nozawa氏は、モニタリングにおける市民参画の可能性やモニタリング結果の意思決定への反映について話されました。また、名古屋大の林教授は、ポスト2010年目標を実効性あるものにするには経済と関連させていくことが重要であると論じられました。
会場にはおよそ250人の聴衆が集まり、講演者に対する質問もたくさん提出されました。IUCN親善大使である歌手のイルカさんからメッセージも寄せられ、COP10の1年前の気運の高まりが感じられるイベントとなりました。今後もCOP10に向けて様々な取り組みが盛り上がることが期待されます。
Written by Tomoyo Chiba