国際

10月16日は、世界食料デー。生物多様性と食と貧困の関連を考えよう

2009.10.16

パンを作るガイアナナッピ村の女性

パンを作るガイアナ、ナッピ村の女性 ©  Conservation International/photo by Haroldo Castro

国連食糧農業機関(FAO)の年次報告書によると、世界の10億2千万人、6人に一人が飢餓に苦しんでいると見られています。
慢性的な飢餓人口は、アジア太平洋地域で6億4200万人、サブサハラアフリカ地域で2億6500万人、ラテンアメリカとカリブ海地域で5300万人、中東と北アメリカで4200万人、先進国の飢餓人口は、1500万人と見積もられています。

20世紀後半に世界の人口は倍増し、食料生産はそれ以上に増やされ、貧困を削減することに貢献してきました。しかし、農業生産性の向上は、農業における生物多様性を危機的に喪失させ、生物多様性への負荷を増加させました。

化学的な肥料や農薬、化石燃料の使用によって農業生産は増加しましたが、土壌や生態系は劣化し、見返りは先細りになりました。農地が食料、繊維、生計の持続的な源であることと、生物多様性を養い二酸化炭素吸収源であることを確保するために、持続的な農業への投資、特に、この30年間無視されてきた発展途上国の小規模な農業への投資を増やすことが必要です。

つまり、持続的な農業は、不適切な農業による負荷より危機にさらされる生物多様性の喪失と取り組むための方法なのです。過去40年間に灌漑された農地は70パーセント増加しましたが、塩化によって年間1500万ヘクタールが農業に適さなくなり100億ドルの損失を生んでいます。また、40パーセントの耕作地が侵食、過放牧、栄養分の問題にさらされました。

マダガスカルの水田

マダガスカルの水田 © Conservation International/photo by Haroldo Castro

農耕が始まった1万2000年前から、約7000種の植物と何千種もの動物が人類の食料のために利用されてきました。しかし、世界の食料の単純化傾向によって、人類の食料の安全保障、栄養バランス、健康に負の影響がもたらされています。今日、先住民族また伝統的な生活を営む人々は、200種以上を食料にしていますが、全体的に作物と家畜の遺伝子の多様性は著しく減少しています。
この100年の間にかつて人類が育てていた作物の多様性は75パーセントも失われてしまいました。家畜種の20パーセントは平均して1ヶ月に1種の割合で絶滅の危機に直面しています。いままで農業に用いられた7000種の植物のうち、30種だけがわれわれが毎日食べる食料の90パーセントを占めています。

スマトラの市場で売られるバナナ

スマトラの市場で売られるバナナ  Photo:©  Robin Moore

生物多様性の豊かな農業生態系は、食料の多様性をもたらし、食料の安全保障を高め、栄養を改善します。発展途上国でも先進国でも、多様な食物は、栄養失調、肥満、その他の健康問題に取り組むうえで役立ちます。たった1種の作物の中にも多様な種の栄養が含まれているのです。

世界の人口は2050年までに27億人増加しすると予測されており、消費パターンも変化すると見られているため、食料需要は倍になると予測されています。さらに、バイオ燃料としての非食料作物栽培地の増加、劣化、気候変動などの影響を受けます。

現在の貧困と将来の食料需要にこたえるためには、持続的な農業と漁業に大きな投資が必ですが、環境への大きな影響はまだあまり理解されていません。エコシステムサービスと開発計画を統合することが、食料の問題に取り組むために不可欠です。