サイエンス

人類の存続の危機を示す「環境危機時計」、今年は9時22分。"極めて不安"は変わらず

2009.09.18

「地球環境問題と人類の存続に関するアンケート」結果についてコメントする森島昭夫氏

「地球環境問題と人類の存続に関するアンケート」結果についてコメントする森島昭夫氏

旭硝子財団による第18回「地球環境問題と人類の存続に関するアンケート」の結果が9月9日に発表された。このアンケートは、世界各国の政府や民間の環境問題に関わる有識者を対象に平成4年から毎年実施しているもので、今年の回答者は757人。

人類の存続の危機に関する認識を示す環境危機時計の針は、昨年より11分戻って、9時22分を示した。0:01-12:00の間で示され、9時から12時は、「極めて不安」。

この原因は、日本からの回答がいっきに34分も戻ったことによるもの。地球環境戦略研究機関特別研究顧問の森島昭夫氏は、「米国のオバマ政権の気候変動(地球温暖化)問題への積極的な姿勢への期待感が大きい」とみる。ただ、海外の回答はこれまででもっとも進んだ9時32分を示しており、その理由も気候変動を念頭にしているものが多い。いずれにしても2001年以降ずっと「極めて不安」な時間帯が続いている。

今年12月のコペンハーゲンでのCOP15をにらみ、本年度は、COP15とポスト2012の展望が重点的な質問のひとつとされた。2020年の先進国の削減幅は、20%削減と30%削減に回答が集中。米国のポスト2012の枠組みへの参加について、「相応の参加」が52%、「積極的参加し世界をリード」が25%と、新政権への期待感が示された。

二酸化炭素排出抑制策としては、オセアニア、その他アジア、中南米、日本、アフリカは、主に「風力発電、太陽光発電など再生可能エネルギーへの注力」が半数近くを占め、中東、先進アジア、北米、西欧、東欧・旧ソ連は「エネルギー利用効率向上・需要抑制」が多数を占めた。また、「植林、森林減少・劣化防止などにより二酸化炭素の大気中放出抑制」に対しては、アフリカ、東欧・旧ソ連、その他アジアなどが20%を超える回答を寄せた。

アジェンダ21の進展度合に関しては、「環境教育の推進」「科学・技術の貢献」「自治体や市民の参画」「リサイクルシステムの構築」「産業界の環境対策」について進展度合が高いと評価され、他方「森林資源保全対策」「生物多様性の保全」「地球温暖化防止策」「人口・貧困問題」「ライフスタイルの変更」は、進展度合がまだ進んでいないと評価された。

アンケートの項目に「生物多様性の保全」があるが、森島氏は「生物多様性の保全は5ポイント上がっているが、客観的に生物多様性の保全はすすんだのだろうか。そうではないだろう。この5年間に何種類の生物種が絶滅しあるいはその危機に瀕したか」と計測の客観的なインデックスがないことから、アンケートのありかたの見直しを指摘している。

旭硝子財団のウェブサイト
http://www.af-info.or.jp/blog/q-info/