香坂玲/生物多様性-できるビジネスパーソンは知っている

COP10で何をアピ-ルするのか? 悩める日本産業界

2009.09.28

Photo:©CI/Haroldo Castro

「COP10に向けて、海外のゲストに何をアピールすればいいでしょうか?」 -最近、企業の方などから受ける質問。

異文化の相手を喜ばせようとすると、自分たちの描いている「素晴らしいジャパン」が空回りして、全く違うものが受けて評価しまうこともある。

やはり原点に返って、気恥ずかしさを乗り越えて、「やっていることはきちんと相手にもわかる形でアピールする」という王道に戻る。自己満足ではなく、「相手にもわかる形」というのは注意が必要で、シンプルかつ直接的に。自分たちが素晴らしいと思う点とは違うところを評価するかもしれないが、分かるように伝えなければ始まらない。

さて、日本の企業は比較的奥手なので、百聞は一見にしかず。ココで参考までに北欧の大手の家具メーカーの取り組みをみてみよう(詳しくは下記のリンクを参照)。文化の違いもあるが、そのCSR、環境の活動の数。あるいはあるいで、自社の製品のリサイクルからNGOとの森林プロジェクトまで、その数60以上!

最近では、最高級ブランド品のお店も有名人と「森林再生」。まずはドンとアピールしているという点で、日本の企業の皆様にも参考になるのではないだろうか。

北欧の家具メーカーの事例では、ユニセフ、国連開発計画などの国連機関、WWFなどNGOと環境保全分野での協力、また発展途上国における女性や地域社会への支援を行なっている。DIYや日曜大工、家具という消費者に近い業界であるからこそ、グローバルな貧困や環境の問題にも関心を寄せていることが伺える。

日本企業も グローバルに展開しているのであれば、是非ともグローバルな問題である、生物多様性の損失や貧困に関心を持つことが重要となる。

もちろん、黙って善行を という美意識も分かるが、実際の国際コミュニケーションではなかなか理解されないというのも実情だ。


【関連リンク】

イケア 終わりなき取り組み
http://www.ikea.com/ms/ja_JP/about_ikea/our_responsibility/the_never_ending_list/index.html

(朝日新聞2009)坂本龍一氏とルイ・ヴィトン、「森再生」の協定調印
http://www.asahi.com/eco/TKY200909070276.html

香坂玲

香坂玲(こうさかりょう)

静岡県生まれ。東京大学農学部卒業。ハンガリーの中東欧地域環境センター勤務後、英国で修士、ドイツ・フライブルク大学の環境森林学部で博士号取得。2006年からカナダ・モントリオールの国連環境計画生物多様性条約事務局の勤務を経て、4月より現職の名古屋市立大学大学院経済学研究科の准教授(林業経済、環境政策論)。COP10支援実行委員会アドバイザー。国連大学高等研究所客員研究員を兼務し、里山の評価などに参画。