星野智子/いつも、どこかで、感じるいのち

"おかげさま"の心

2009.04.22

おかげさまのこころ01

Photo:© Tomoko Hoshino

ここ10年くらい、千葉県山武市に、有志のグループで年に5回ほどの稲作体験企画をさせてもらっています。
生産現場で実際にお米や野菜がどう作られているか、学び、味わい、生産者との交流を深めながら、農業の魅力や課題を見つけ、生産者の皆さんとともに語り合います。子どもたちは川遊び、昆虫探しに夢中、7月には蛍が見られます。

私は当日運営統括をしながらも、裸足になって、土の感触、水や森の匂いを感じて、"気持ちいい!"と、純粋に田んぼの風景の中にいられる時間を楽しんでいます。

自分が田んぼで感じた気持ちと生物多様性の関係が、"おかげさま"という言葉でつながったのです。「生態系サービス」と呼ぶらしいですが、自然の恵み、恩恵によって、私たちが生きる上で欠かせない水や食料が育まれているということですが、これが日本人がよく使う"おかげさま"という言葉と馴染むと思ったのです。

見えないところで誰かが、何かが、良い働きをしてくれている、ということを感謝する気持ちを忘れないでいることが、生物多様性を守る上で大事なのではないかなと、思います。

おかげさまのこころ02

Photo:© Tomoko Hoshino

自分がそう納得したので、あとはそれを実践するのみです。いつも見えない誰か、何かに感謝しながら、生きる、暮らす。そして見えない誰か、何かのために自分も常に働きかける。そのためには、自分が何とどこでつながっているか、という想像力を育むことが大切かと思います。

想像力や創造力、感受性を育んでくれるのもまた、田んぼや森の中だったりするので、またここで"おかげさま"と感謝する、ということに。"おかげさま"と言いながら、他を思いやる気持ちが、何より大事かなと、そう感じています。

星野智子

星野智子(ほしのともこ)

獨協大学外国語学部卒業後、国際青年環境NGO「A SEED JAPAN」やエコ・リーグ立ち上げ等に関わる。2002年のヨハネスブルグ・サミット、「持続可能な開発のための教育の10年」推進運動、2008年のG8サミットの環境NGO活動など、NGO・NPOのネットワーカー。地元の稲作体験企画や文化活動にも関わる。(特活)アフリカ日本協議会 理事、NGOビレッジ 幹事、(特活)日本NPOセンター 評議員。地球環境パートナーシッププラザ(GEIC)勤務