香坂玲/生物多様性-できるビジネスパーソンは知っている
2009.05.06
身近なものたちに、世界中のさまざまな場所から集められた原材料が使われている。
Photo:©CI/Yasu Hibi
2005年にマンガ「常務 島耕作」が部下に地球温暖化の脅威について熱く語っています。10年以上前から環境に携わっている者としては、「とうとう島耕作が環境を語った」ということで、なかなか衝撃的でした。
「できるビジネス・パーソン」のお手本が、世界を駆け巡りながら、ワインや音楽だけでなく、温暖化も語りました。2010年には、会長になっているであろう、会長島耕作に「生物多様性」を語っていただきたいと思いながら、エッセイを書いております。
最近の食の安全や国産品ブームで、「私たちが作っています」といって農家や作成者の方の写真が写った展示が多くなりました。本当のことをいうと、コーヒーやお米の食品だけではなく、自動車、携帯なんかも南米、東南アジア、アフリカの地域から持ってきているものが多く、世界中の人々や自然が「私たちが作っています」という写真が必要になるぐらい、今の製品はいろんなところから集まってきています。
スーパーやデパートで、出来上がった完成品しかみていないと、工場から出てくるような錯覚に陥りますが、いろんなところの自然からの拝借して、現地の人の働きもあって何とかやっているのが私たちの生活の実態です。
CO2だけではなく、自社や普段使っている製品がどのような経路を経て、地域や生態系にどのような影響を与えているのか、できるビジネス・パーソンは気配りが重要です。
静岡県生まれ。東京大学農学部卒業。ハンガリーの中東欧地域環境センター勤務後、英国で修士、ドイツ・フライブルク大学の環境森林学部で博士号取得。2006年からカナダ・モントリオールの国連環境計画生物多様性条約事務局の勤務を経て、4月より現職の名古屋市立大学大学院経済学研究科の准教授(林業経済、環境政策論)。COP10支援実行委員会アドバイザー。国連大学高等研究所客員研究員を兼務し、里山の評価などに参画。